昔取ったポカリスエット柄

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書評:統計で勝つ麻雀(みーにん本)

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6/1に発売されたみーにん本を日曜日の夕方に購入。近くでやっていた慶應mjktと東大白の対抗戦をふらふら見に行ったり、その打ち上げに参加したりしながらも、結局その日のうちに読みきってしまった。

本当は書評や要約は翌日以降に書いたほうが記憶のメカニズム的なアレで自分のためになると思うのだけれど、そう言っているといつまでたっても書かないのでひとまずそれは諦めた。

統計で勝つ麻雀

(福地誠,みーにん,竹書房,2015)

麻雀の統計研究を最前線でされているみーにんさんと、出す麻雀本が全部売れて全部役に立つライター福地先生のタッグ本。

素晴らしい内容だった。『科学する麻雀』(とつげき東北,講談社現代新書,2004)、通称堀内本『神速の麻雀 堀内システム51』(堀内正人,洋泉社,2015)という数理学的なエビデンスを重視した名著の流れを汲んでいる。堀内本に関しては編集福地誠、データ監修みーにんという、本書と似た製作陣であり、出版時期も近いため、どうしても似ている。


背景にある数値的な裏付けがあまり登場しない優れた戦術本としては、渋川本として知られる『魔神の読み』(渋川難波,マイナビ麻雀BOOKS,2012)や、私を含む多くの打ち手が読んで勉強したであろうHPの書籍版、通称ネマタ本『勝つための現代麻雀技術論』(ネマタ,福地誠,洋泉社,2014)等があげられる。

統計知識のない頃に出版されたばかりの科学する麻雀を読み、HP版の現代麻雀技術論を読んで基礎を学んだ今どきの雀士としては、これらの本を読んで、「読みの技術すげー!」「体系的な理論すげー!」となったわけだけれども、一方で例えば、改めて出版されたネマタ本を読んでいて、何切るの解答にこう思うことが多かった。

「その根拠は?」

これらの戦術本が優れた書籍であることは論をまたないが、その一方で根拠となる数字が知りたくて仕方なかったのである。

そうした中で先述の堀内本を読んだとき、私が求めていた戦術書はこれだと感動した。その内容が活かせているか、あるいは自分のスタイルに合っているのかは別として。


本書もそれに近い部分がある。主張の根拠となるデータが載っているので、応用や別の仮説を立てたりと思考の余地が多い。

堀内本が堀内正人プロの戦術を書いた書籍であるのに対し、本書が全面にデータを押し出した書籍であるという差は想像以上に大きく、筆者の色が薄いだけに「(わかりやすい解説つきの)データが載っており、その活用は読者に任せる」という印象がより強かった。

好みはわかれそうだ。というか、既に私の周りでも随分わかれている。けれども、一読の価値はあると思う。最新の研究を知ることは単純に知的好奇心をくすぐられて楽しい。

特に本書のコアである「No.8 押し引きを切り換えろ」で、局収支論の汎用性を数値的根拠を示して否定するみーにんさんの文章は非常に迫力があり*1、読んでいて、以前何度かセットでお会いしたみーにんさんの姿と声が脳裏にちらついた。ここだけでも間違いなく本書は買うに値する。



まえがきで福地先生が「これから、みーにんさんと共同で、本書を50倍くらい煮詰めたような本を作る予定でいます」と書いていて、もう今から続編に期待して家でよくわからないおどりを踊っている。


誤植らしきものについて

p70 雀荘戦と段位戦が逆?

p77 半荘戦と東風戦が逆

p161 3行目 枚→%

*1:他の部分ではまず福地先生が書き、それをみーにんさんが修正しているが、本項だけはまずみーにんさんが書いているらしい。