昔取ったポカリスエット柄

読んだ本の感想とか、日常の出来事や考え事を書いていくタイプのブログ。

要約・書評 マネジメント 基本と原則

スポンサーリンク

マネジメント【エッセンシャル版】 基本と原則

(P.F.ドラッカー,上田惇生 訳,ダイヤモンド社,2001)

著名すぎてなんとも今更感がすごい。

第1部 マネジメントの使命

マネジメントの役割は①自らの組織の目的を果たす、②組織で働く人を活かす、③社会に貢献する。現在と未来、短期と長期を見て意思決定を行う。

第1章 企業の成果

企業の目的は顧客を創造すること。そのための企業の基本的な機能は2つ。①マーケティング:顧客の欲求からスタートする、②イノベーション:新しい満足をもたらす。顧客創造のために、経営資源を用いて生産する⇒生産性の概念。
利益は原因ではなく結果。成果の基準であり、不確実性に対する保険であり、よりよい労働環境や社会的サービスを生む原資。

組織の意思決定・方向性を統一するためには事業の定義(=「我々の事業は何か。何になるか。何であるべきか。何を捨てるか」)を常に行い続けることが必要。

事業の定義は目標に具体化しなければならない。マーケティングの目標(最大ではなく最適の地位を目指す)、イノベーションの目標、経営資源の目標、生産性の目標、社会的責任の目標。
目標設定のためには①利益とのバランス、②近い将来と遠い将来との間のバランス、③他の目標とのバランス(目標間のトレードオフ)が重要。

戦略計画は、①リスクを伴う起業家的な意思決定を行い、②その実行に必要な活動を体系的に組織し、③それらの活動の成果を期待したものと比較計測する、連続したプロセス。
マネジメントは戦略計画を策定したうえで、判断、指導を行う。

第2章 公的機関の成果

公的機関、あるいは企業内サービス部門のようなサービス機関は経済活動の余剰・間接費によってコストが賄われており、成果や業績ではなく予算によって収入を得ている。そのような組織が成功するためには、次の規律に従い運営される必要がある。
組織の目的を定め、成果を規定し、成果の尺度を定める。成果を監査し、成果や成果の尺度の変更を検討する。

第3章 仕事と人間

働く人に成果をあげさせることがマネジメントの第二の役割(※マネジメントの役割は冒頭に記載)。人(労働者)を活用するためには①「仕事」に対して成果と責任を組み込む、②人(労働者)をコストではなく活かすべきものとして捉える、③人の強みが成果に結びつくような人員配置、を実際に行うことが重要。

「仕事」と「労働(働くこと)」は根本的に異なる。「業務が効率的に行われること」と「人が生き生きと働くこと」双方が成立するようマネジメントしなければならない。

「仕事」はプロセスであり以下の3つの視点からマネジメントする。①分析:作業を明らかにし論理的な順序に並べる、②総合:「個々の作業⇒1人の仕事⇒生産プロセス」への組み立て、③管理:生産プロセスの状態を感知し、必要水準を維持するためのフィードバックを得られる体制の構築。

「労働」は人の活動であり以下の5つの視点からマネジメントする。①生理的:生理との合致(仕事は均一に設計されるべきだが、労働は人の生理反応に基づき多様性を持たせる)、②心理的自己実現の手段、③社会的:社会・人とのつながり、④経済的:労働者個人の生計、⑤政治的:組織内での権力関係(ex.昇進)。
「労働」のマネジメントの成功には「権限」ではなく「責任」を組織化する必要がある。人が責任を負うためには、やりがいと身分(=収入+その人が社会の生産的な一員であること)の保証が必要。 やりがいのためには責任ある仕事が必要。そのためには①生産的な仕事(「仕事」を分析・総合・管理できる)、②フィードバック情報(自らの成果をフィードバックされ自己管理可能である)、③継続学習(他分野の経験を積む、自らの知識を他の分野に適用できるようにする)が必要。

第4章 社会的責任

社会的責任の遂行はマネジメントにとって第三の役割。社会的責任は、①自らの活動が社会に対して与える影響から、②自らの活動とは関係なく社会自体の問題として生じる。
①はマネジメントの責任。自らの組織に対する責任。影響を事業上の機会にすることが理想(ex.自社製品の毒性検査⇒毒性検査事業、原材料開発)。最適のトレードオフをもたらす規制案をつくり、最善の規制を実現するよう働きかけることが次善。
②は社会の機能不全。企業・マネジメントにとって機会の源泉。社会的イノベーションにより社会の問題を事業上の機会に転換する。

ただし、能力と権限には限界がある。能力を超えた課題に取り組むことや越権により、自らに特有の機能を遂行するための能力を損なうことが最も無責任。

個人がリーダー的地位にあるということは、本質的にはプロフェッショナルであるということ。プロフェッショナルの責任は「知りながら害をなすな」ということにつきる。すなわち、プロは自立した存在として政治やイデオロギーの支配に従わないという意味で私的であり、その言動が依頼人によって制限されるという意味で公的でなければならない。

第2部 マネジメントの方法

マネジメントがいかにマネジメントし、マネジメントされるかによって組織の目的の達成成否が決まる。企業は一定規模に達すると、オーナー兼起業家では管理不能となり、マネジメントを必要とする。

第5章 マネジャー

マネジャーは単に人の仕事に責任を持つ者ではなく、組織の成果に責任を持つ者。
マネジャーは専門家の、知識と能力を全体の成果に結びつけるという役割を専門家に認識させ、助けることが必要。専門家はマネジメントを導き機会や基準を示すという意味で、マネジャーの上司とならなければならない。組織において機能と地位は切り離さなければならない。

マネジャーの役割は2つ。1つ目は投入した資源以上の成果を生み出す生産体を創造すること。その際はマネジメントの役割(①自らの組織の目的を果たす、②組織で働く人を活かす、③社会に貢献する)を果たす決定と行動を取る必要がある。2つ目は、あらゆる決定と行動において、ただちに必要なものと将来必要なものを調和させていくこと。

あらゆるマネジャーに共通の仕事は5つ。①目標を設定する、②組織する、③動機付けとコミュニケーションを図る、④評価測定する、⑤人材を開発する。また、マネジャーの最大の資質は真摯さ。真摯さは学ぶことも後天的に身に着けることもできない。
それをふまえ、マネジャーの仕事は4つの視点から設計されなければならない。①マネジャー本来の機能(ex.製造部長としての仕事)、②個々のマネジャーに対して組織や上司が設定する(割り当てる)責任、③マネジャーの仕事は上、下、横との関係によって規定されること、④マネジャーの仕事は必要とする情報とその情報の流れにおけるマネジャーの位置によって規定されること。これら4つの視点から自らの仕事を主体的に知ることはマネジャーにとって最大の責任。

マネジメント開発(育成)はマネジャーのセミナーへの参加や、エリート探しや、人の性格を変え改造するものではない。
マネジャーには自己管理による目標管理、すなわち組織への貢献によって規定された目標に照らして自分の仕事ぶりと成果を評価し、そのための情報を手に入れられることが必要。

組織の目的は凡人に非凡なことを行わせること。そのためには①組織の焦点は成果にあわせる、②組織の焦点は問題ではなく機会にあわせる、③人事に関わる意思決定は組織の信条と価値観に沿って行う、④人事にかかわる決定は、真摯さこそ唯一絶対の条件であり、既に身に着けているべき資質であることを明らかにするものである、の4つが必要。
真摯さの定義は難しいが、マネジャーとして真摯さの欠如は次のように定義できる。①強みより弱みに目を向ける者、②何が正しいかよりも誰が正しいかに関心を持つ者、③真摯さよりも頭の良さを重視する者、④部下に脅威を感じる者、⑤自らの仕事に高い基準を設定しない者。

第6章 マネジメントの技能

意思決定においては問題を明確にし、意見の対立を促し、意見の相違を重視し、意思決定が必要かを検討し、実行し、フィードバックの仕組みを構築しなければならない。
意思決定の必要性検討においては、行動によって得られるものがコストやリスクより大きいか、行動するかしないかどちらか一方に定めることに注意する。
意思決定の実行を効果的にするには、決定を実行する上で行動を起こすべき者=決定の実行を妨げることができる者を決定前の議論に責任を持たせて参画させる。また、意思決定の段階で実行の手順や責任を組み込んでおく。
意思決定のフィードバックにおいては、前提となった予測を書面で明らかにしておき、決定の結果について体系的にフィードバックし、フィードバックの仕組みを決定の実行の前に作り上げる必要がある。

コミュニケーションの基本は、コミュニケーションが①知覚であり、②期待であり、③要求であり、④情報ではないこと。
①受け手の知覚能力の範囲内で、受け止めることができるかを考える必要がある。(cf.大工と話すときは大工の言葉を使え)
②人は期待しているものだけを知覚する。受け手の期待を知って初めて、受け手の期待に反することを伝達できる。

組織における管理について、管理手段は純客観的でも純中立的でもありえず、成果に焦点を合わせなければならず、観測不能な事象(ex.優秀な人材を流出させない)に対しても適用しなければならない。管理手段の要件は以下の7つ。①効率的で、②意味があり(成果に影響を与える現在または将来重要なもの)、③測定の対象に適しており、④精度も測定の対象に適しており(幅をもってしか評価できないものを細かく数字を出しても意味がない)、⑤時間間隔も測定の対象に適しており(頻繁な報告は管理の意味を無効化しうる)、⑥単純であり、⑦行動に焦点を合わせる。

第7章 マネジメントの組織

優れた組織構造とは、戦略により決定する組織の基本活動が成果を上げる構造のことである。

【活動分析】組織の基本活動は「組織の目的を達成するには、いかなる分野において卓越性が必要か」「いかなる分野において成果が上がらないとき、致命的な損害を被るか、いかなる分野に最大の弱点を見るか」「本当に重要な価値は何か」の答えにより明らかになる。基本活動の分析が、組織構造を示す。

【貢献分析】組織内の活動は、貢献の種類によって4つに分類される。
①成果活動:組織全体の成果に直接あるいは間接のかかわりを持つ測定可能な成果を生む活動。(ⅰ)直接収入をもたらす収入活動。マーケティングイノベーション、資金調達等、(ⅱ)企業全体や主要部門の成果に直接かかわりを持つ成果貢献活動。製造、教育訓練、労務等、(ⅲ)収入は生まないがアウトプットを生む情報活動。
②支援活動:他の活動のインプットとなる活動。(ⅰ)組織が卓越する必要のある分野において基準を設定しビジョンを描く良識活動。人事、マーケティング、社会的責任等、(ⅱ)伝統的なスタッフ活動。助言活動、教育活動等。ただし、他人に手柄を立てさせる、自分の地位を濫用しない人物を、トップになるまでの成長の過程で一時的に就けるだけにしなければならない。(ⅲ)各種の渉外活動。法律スタッフや特許部等。
③家事活動:健康管理、清掃、食堂、年金や退職基金の管理、法的に必要な記録類の管理等。
④トップ活動:第8章で記述。

【決定分析】組織内の意思決定は、4つの観点から分類する必要がある。
①影響する時間の長さ。その意思決定によってどの程度の期間にわたって行動を束縛されるか。
②他の部門や組織全体に与える影響の度合い。影響が部門内にとどまる意思決定は低いレベルで行う。他の部門に影響を与える意思決定は一段高いレベルか当該部門と協議の上行う。
③考慮に入れるべき定性的要素の数。定性的要素=企業の行動原則、価値観、社会的政治的な信条。多いほど高度のレベルにおいて意思決定する。
④問題が繰り返し出てくるかまれにしか出てこないか。繰り返し出てくる問題は原則を高いレベルで、実際の適用は低いレベルで。初めての問題は一つの独立した問題として扱う。

意思決定の原則は①常に可能な限り低いレベル、行動に近いところで行い、②意思決定によって影響を受ける活動全体を見通せるだけの高いレベルで行う。

【関係分析】活動間の関係を最小限に絞る。活動間の関係は重要な意味あるものだけにする。決定分析と関係分析による活動の位置づけには矛盾が生じることもあるが、関係分析の結果に従う。

活動分析、貢献分析、決定分析、関係分析の4つの分析はいかなる場合においてもおろそかにしてはならない。

組織として持たなければならない条件は①明快さ、②経済性、③方向づけの容易さ、④理解の容易さ、⑤意思決定の容易さ、⑥安定性と適応性、⑦永続性と新陳代謝

五つの組織構造。①職能別組織、②チーム型組織、③連邦分権組織、④疑似分権組織、⑤システム型組織。
①職能別組織:活動中心の組織であることが長所で欠点。適用範囲は現業の仕事に限られる。
②チーム型組織:適応力に富むが、明快さや安定性に欠け、経済性も悪い。規模の限界もある。トップとイノベーションに有効な組織構造。知識労働の領域で職能別組織に対する補完的な組織構造。
③連邦分権組織:自立した部門が業績と組織全体への貢献に責任を持つ。現在最も優れており、明快かつ経済的。マネジャー育成も可能。
④疑似分権組織:事業でないものを事業であるかのように組織する。事業ごとに連邦分権組織に分割できないが、職能別組織やチーム型組織とするには大きすぎる大組織が最終手段として採用する。疑似分権組織の成果は、市場ではなく組織内部の帳簿価格や費用配賦によって左右されるため好ましくない。
⑤システム型組織:チーム型組織の発展。チーム型組織の構成単位が個人であるのに対し、システム型組織の構成単位は多種多様な組織と個人。適用条件は、組織の目的が明確であり、コミュニケーションについて組織の構成単位のすべてが責任を持つ、組織の構成単位のすべてが自らの目標以外のことにも責任を持つ。

組織構造は目的達成のための手段であり、適用が難しくなく問題を起こさない組織構造はない。組織の健康を判定する基準は成果である。

第3部 マネジメントの戦略

あらゆる組織の業績はトップマネジメントにかかっている。組織内の仕事でもっとも組織化することが難しいが、もっとも組織化する必要がある仕事がトップマネジメントの仕事である。

第8章 トップマネジメント

トップマネジメントの役割は多元的。①事業の目的を考える役割(その派生として意思決定を行う)、②組織全体の規範を定める役割、③組織をつくり維持する役割、すなわち人材を育成し組織構造を設計する、④渉外の役割。取引先、金融機関、労働組合、政府機関等との関係、⑤儀礼的な役割。行事や食事会など、⑥重大な危機に際しては自ら出動し問題に取り組む役割。
これらに必要とされる性格は「考える人」「行動する人」「人間的な人」「表に立つ人」だが、すべてを併せ持つ人はほとんどいない。そのため、複数の人間に振り分ける=チームで行う必要がある。また、小企業を除き、トップマネジメントとしての責任を負うものはそれ以外の仕事をしてはならない。

トップマネジメントチームは、リーダー(≠ボス)がおり、メンバーが自らの担当分野の最終的な決定権を持ち、担当分野以外の意思決定を行わず、あらかじめ決めた問題(ex.事業の定義、製品の廃止、巨額の資本支出、主要な人事等)はチームで判断する必要がある。メンバーは自らの分野で自立性をもって行動するために意思の疎通に精力的に取り組む。仲良くしたり尊敬しあう必要はないが攻撃しあってはならない。

第9章 マネジメントの戦略

【規模のマネジメント】企業は自らの規模を知り、適切かどうかを知る必要がある。規模を示す基準は中心的な成果に責任を持つ人の数。
小企業では社長が書類や人に聞かずとも中心的な人間を知っており、その人数は12~15人以下(1人がよく知ることのできる人数は12~15人)。小企業は本社スタッフや込み入った手続きは不要であり持つゆとりもないが、ニッチを見つけ際立った存在となるための戦略が必要。そのためには「われわれの事業は何か、何であるべきか」の問いに答え、トップマネジメントの役割を組織化する必要がある。
中企業では社長がトップマネジメント数人と相談して中心的な人間を認識できる規模で、40~50人。中企業は成功の基盤となっている卓越した分野の確保に持てる資源のすべてをあげ、そうでない分野では最小限のことを行う必要がある。
大企業では組織図や記録を調べないと中心的な人間がどこにいて何をしているかわからない。大企業は、全員が組織の目標、優先順位、戦略を知り、組織内での自らの位置と他人との関係を把握できる、明快でフォーマルな組織構造が必要。機動性に欠くため、成功しても中程度の事業にもならない小さな事業には手を出すべきではない(ただし、革新のためには冒険的な事業に手をつける必要がある)。
組織の規模が不適切な場合、著しく努力や費用が必要だが成果を上げられない分野がある。その対策は、①事業の性格を変えることで差別化を図る(差別化の成功可能性、永続性に注意)、②合併と買収、③売却、切り捨て、縮小。売上を増やすことはありふれているがリスクが高く、最後の手段。
組織はマネジメント可能な最大規模ではなく、成果を上げる能力が最も高い最適規模を目指すべき。組織規模の最大の問題は、地域社会との相対的な規模。

多角化のマネジメント】多角化の成功条件は市場、技術、価値観の一致。多角化の内的要因は①変化への欲求(集中による過度の専門化するリスクへの対応)、②規模の不適切さ(ただし、適切な対策はサプライチェーンの垂直方向への多角化)、③コストセンターの収益化。外的要因は①一国の経済規模(小国では外国資本による現地企業の多角化が発生)、②市場の論理、③技術の分岐する性質、④配当より再投資優遇の先進国の税制、⑤多角化を高く評価する大衆市場としての資本市場・人材市場。
多角化を調和させるには共通の市場または共通の技術を軸に、事業、製品、製品ライン、活動を統合する必要がある。共通の市場を軸にする場合は顧客が同一の市場としてみなすかに注意。共通の技術を軸にする場合、技術が現実的な技能で特有の卓越したものである必要がある。
多角化が失敗するのは、①共通の市場と技術による多角化を同時に行う(トップマネジメントを2つにわけるか一方の軸を軽視しなければ困難)、②事業毎の景気周期は異なり補完すると考える(大きな景気減退局面ではすべての事業が下がる)、③資金需要の大きな事業を資金余裕のある事業と組み合わせるために多角化する、④多角化のための多角化、⑤既存事業の弱さを補うための新事業進出。
多角化のマネジメント手段は4つ。多角化のために①自力開発、②買収。不健全な多角化を正すために③分離、④合弁。①と②は企業体質によりどちらかしか成功しないことがほとんど。

グローバル化のマネジメント】グローバル企業は重要だが、国家との緊張関係の解消が必要。利益、資本、ヒト・モノ・カネ等の動きを制限するような国際的な取り決めにより解決する。グローバル企業のトップマネジメントはこの問題を考える責任があり、機会にもなる。

【成長のマネジメント】成長そのものを目的とすることは誤りだが、マネジメントは①生存に必要な成長の最小点、②資源の生産性やリスクの限界増大幅が最適な成長の最適点を検討する必要がある。
成長のためには準備が必要。①基本活動を明らかにし、それらの活動に取り組むトップマネジメントチームを編成する、②方針と行動の変化を要求する兆候に注意し、変化すべき時を知る、③自らが心底変化を望んでいるか正直に判断する。

イノベーションイノベーションの戦略も、他の戦略同様、「われわれの事業は何か、何であるべきか」ではじまるが、既存のものは全て陳腐化すると仮定する必要がある。既存事業の尺度は「この活動はなくてもすむか?」「必要最小限の支援はどれだけか?」であるが、新規事業は「これは正しい機会か?」「この段階で注ぎ込める最大限の優れた人材と資源はどれだけあるか?」である。期待するものを検討し書き示し、成果が期待を大幅に下回る場合「手を引くべきか? どのように手を引くか」 を検討する。 イノベーションは機能ではなく事業として組織する。プロジェクトマネージャーを任命し、そのチームは既存事業の組織から独立させる。

結論:マネジメントの正当性、すなわちマネジメントが成果をあげるための権限を持つ根拠は、人の強みを生産的なものにすること。組織の基礎原理は「個人の強みは社会のためになる」であり、これがマネジメントの正当性の根拠である。

感想

気合い入れすぎて相当の量を書いてしまった…。
経営論といえばドラッガーみたいな世間の認識はあるけど、ラノベ感覚で軽く読むビジネス書と思って手を付けると具体性に欠けてちょっとしんどい。これ書くために改めて読んだけど、ドラッガーは抽象的と言われるのもよくわかる。
一方、ドラッガーが草分けの経営学の理論も多くあるそうで(残念ながら経営学史の知識は全くないので本当かどうかは知らない)、経営学や組織論をざっくり勉強したときに出てきた概念はいくつもあった。基本書的な使い方をするのが良いのかも。特に後半、5~9章は真骨頂って感じ。

読み方が間違ってるとか認識がおかしいとかあったら是非教えてください。