昔取ったポカリスエット柄

読んだ本の感想とか、日常の出来事や考え事を書いていくタイプのブログ。

暗号通貨 後編(税金編)

スポンサーリンク

sensyu.hatenadiary.jp

前編の続き。書いてるうちに年が明けてしまった。利益や損失確定するには時すでに遅しだし、2018年の年末頃にはまた情勢が変わってるような気がしないでもないので、果たしてこの記事に意味はあるのか…。

この12月、よく言われたのが暗号通貨で儲かったし含み益もあるけど、どこまで利確すればいいのかよくわからないとか確定申告よくわからないという話なんですが、結論から言えば確定申告しなくていい範囲でしか利確しないか、全部利確するか、知り合いの税理士にお願いしましょうって話ですね。よくわかんないことは基礎だけおさえてプロに外注するに限る。

暗号通貨関連の所得の取り扱いのQ&Aが国税庁から打ち出された(仮想通貨に関する所得の計算方法等について )のも12月だったりするので、まだ仕組みの整備はこれからって感じですね。

ついでに税金周りの基本事項もまとめて書いておきます。

確定申告をする条件

確定申告とは、一年間(1/1〜12/31)の自分の所得を国に対して申告し、税金の納付をしたり還付を受けたりする手続きのことです。年度間(4/1〜)ではなくて年間(1/1〜)であることに注意をしましょう。ある年の所得を翌年の2/16〜3/15の間に申告するので、今年なら、2017/1/1〜2017/12/31の所得を2018/2/16〜2018/3/18に申告します。

申告しなければならないのに申告せず、あとから国税の調査が入った場合、最大7年遡って納税を要求される上に、加算税(年率15〜40%)、延滞税(今は年率9%くらい)等が追加で取られるので、よくわからないからとりあえず申告しないっていうのはやめておきましょう。割と破滅できます。

マイナンバーは所得把握の強化が大きな目的の一つですが、その導入期もついに終わり、2018年中に金融機関の口座と個人が全て紐付く予定です。申告しましょう。

所得の種類

皆さんが得た所得は、以下の10種類の所得に分類されます。所得の右側にごちゃごちゃ書いてあるのは後(#税制に記述)で出てくる話なので今は気にしなくて大丈夫です。

所得の種類

暗号通貨による利益は基本的に1番控除だとかの優遇が少ない雑所得に区分されます。(仮想通貨の取り扱い(国税局))
その他、給与は給与所得、銀行預金の利子は利子所得、株の配当は基本的に配当所得、株や不動産の売買は基本的に譲渡所得といったように決まっています。

総合課税(詳細は#税制に記述)されるそれぞれの収入から経費やらをさっぴいて、所得控除をその合計である課税所得金額から、税金の支払い額が決定します(ここが所謂累進課税ってやつで、所得額によって税率が変わります。参考:所得税の税率(国税庁))。
ここから税額控除(住宅ローン控除)なんかを引いて、実際に支払う税金が決定します。サラリーマンだったら源泉徴収されてる分との差額だけ支払ったり還付されたりしますし、後述の通り、株や暗号通貨なんかの所得がなければ確定申告不要で年末調整だけで終わりになります。

給与所得者の場合

給与収入しかない普通のサラリーマンは、会社で毎年年末調整をするだけでOKです。が、副業があったり暗号通貨で稼いだ人は確定申告の義務が発生している可能性があります。(給与所得者で確定申告が必要な人(国税庁))
具体的には、以下のどれかにあたる場合は確定申告をしなければなりません。

  • 年間の給与収入が2,000万円超
    年間の給与収入が2,000万超になりてえなあ。給与収入ってのは所謂額面年収のことです。

  • 源泉徴収の対象となる給与を1ヶ所から受けており、給与所得、退職所得以外の所得が20万円超(2ヶ所以上から受けている場合、年末調整していない給与収入も20万円の中にカウントされる)
    暗号通貨やってるサラリーマンが主に該当するのはここですね。株をやっている人で、特定口座(源泉徴収あり)において、配当や譲渡所得が源泉徴収されている場合は、この20万円に含まれません。

また、給与以外の所得がある場合、20万円以下で確定申告不要でも、住民税の申告は必要になるので注意してください。

ちなみに株や投信、先物、FXで損失が出た人は確定申告することで3年損失を繰越せます(ただしNISA口座の損益はこの計算の中に含まれません)。

学生、主婦等の場合

所得金額が38万円超(株を源泉徴収ありの口座でやってる場合は所得に含めない)の場合、確定申告が必要になり、親やパートナーの所得税における扶養から外れるため注意しましょう。
ちなみに、よく言う103万の壁というのは、扶養控除を受けられる所得の限度額38万+給与所得控除65万の合計103万円を超えると所得金額が38万円超となるという話です。

わしは給与所得者じゃ、詳細は自分で調べてくれ。

暗号通貨の税金

先ほども登場したこのQ&A(仮想通貨に関する所得の計算方法等について )に基本的なことが書かれています。

利益の認識タイミング

株やFXをやってなくてはじめて暗号通貨で投資らしい投資をしたという人に覚えておいていただきたいのは、含み損益(確定させてない損益)には課税されず、それを円に戻したりして確定させた瞬間、利益として認識されるということです。

暗号通貨における利益の認識タイミングは以下の通りとなっており、雑所得(または事業として行っている場合は事業所得扱い)となります。

  • 暗号通貨(BTC等)→円の利確時
    売却価額と取得価額の差が利益となります。売却価額、取得価額には売買の際の支払手数料を含みます。
    例えば、100万円/BTCの時に2BTC購入(ただし手数料0.1%を差し引いて1.998BTCが口座に入った)し、1BTCを200万円/BTCのときに円転した(円建てで0.1%の手数料を支払い、1,998,000円が入金された)場合、利益の額は「売却価額:1,998,000円-取得価額:(1BTCあたり取得価額)2,000,000/1.998×(売却した量)1=996,999円」となります。
    取得価額の考え方については後述。ちなみにハードフォークで取得した暗号通貨は、取得時に相場がないため取得価額0として取り扱うようです。

  • 暗号通貨→別の暗号通貨へのエクスチェンジ時 新たに購入した暗号通貨の円建て時価を購入価額として、取得価額との差を利益とします。だからBTCをETHやXRPにしたときも利確扱いになるわけですね。草コインを手広くやってる人は実現利益の計算がとても面倒。

  • 暗号通貨で商品を購入した場合
    これ、暗号通貨が決済手段としてより広まるためには少額決済は対象外にするとかしないといけないと思うんですが、今のところビックカメラとかでBTC建てで支払いをしたのも利確扱いになります。

原価計算(取得価額)

何度も登場する仮想通貨に関する所得の計算方法等について においては、暗号通貨の取得価額は原則移動平均法、継続して適用する場合は総平均法も認められるとなっています。

正直、所得の計算をする場合、計算方法よりもちゃんと年内の取引を全て復元できるかの方が大事で、各取引所の取引履歴をcsvでDLして、全取引を利益計算用のスプレッドシートに落とし込めるかが勝負ですね。
結局この部分は自分の記憶と取引履歴が全てで、専門家に聞いたってわからないので。

移動平均法・総平均法

取得価額の計算方法ですが、移動平均法は暗号通貨購入の都度、取得原価を計算しなおす方法で、総平均法は1年の終わりに取得原価を計算する方法です。計算方法は各自読んでもらうとして、それぞれのメリット・デメリットを私は以下の通りだと考えています。結論としては、どうせExcelやらで計算するのであれば、期中で利益を認識しやすい移動平均法で計算するのがいいのではないかと思います。

  • 移動平均法のメリット
    • 年の途中でも実現利益が計算可能
    • それ故に年末付近で利益調整がしやすい
    • 総平均法より肌感覚に近い利益額となる
  • 移動平均法のデメリット

    • いちいち取得原価を計算するので面倒くさい。特にアルトコインをBTC建てで売買しまくってると計算用のシートを作るので一仕事
  • 総平均法のメリット

    • 年末にまとめて計算できるので計算が楽
  • 総平均法のデメリット
    • 1年が終わるまで取得価額が決定しないため、年の途中での利益計算が困難
    • そのため年末付近で利益調整しづらい

例をあげましょう。
5月に暗号通貨をはじめ、300千円/BTCで2BTCを購入、8月に400千円/BTCで2BTCを購入、10月に600千円/BTCで3BTCを売却、11月に1,200千円/BTCで6BTC購入、12月に1,500千円/BTCで1BTCを売却して年末(レート1,550千円/BTC)に6BTCを保有していた場合を考えます。

移動平均法では1年間の利益は約1,329千円、年末に保有しているBTCの1BTCあたり取得価額は約1,071千円となります。
一方で総平均法では取得価額が840千円/BTCとなり、1年間の利益は▲60千円(60千円の赤字)となります。
この例のように、場合によってはそもそも赤字か黒字か異なるなんて場合もありますが、これは確定利益と含み益の認識の差であって、実際の利益は以下の通り一致します。
移動平均法:年間利益約1,329千円+年末のBTC建て資産含み益(1,550千円-約1,071千円)×6≒4,200千円 総平均法:年間利益▲60千円+年末のBTC建て資産含み益(1,550千円-840千円)×6=4,200千円

この場合、総平均法の方が利益の繰り延べ(課税タイミングを来年以降にしている)ができていることになります。ただし、雑所得は損失の繰り延べや給与所得等との損益合算ができないため、他の雑所得がないのに損失を計上してもいいことはありません。

BTC/アルトコインで往復ビンタした場合

気が向いたら書く。

結局、利益計算用のスプレッドシートを作るときに、通貨毎に取得価額と利益を計算するシートを作るだけなんだけども。

暗号通貨の経費

少なくとも、暗号通貨の取得原価と売買に要した手数料は経費に含まれます。

また、雑所得の場合は譲渡所得(株式等)よりも経費計上の幅が広いので、場合によっては多くの費用が経費として認められうると考えられます。
参考:やさしい必要経費の知識(国税庁)

具体的には、暗号通貨を勉強するための勉強会費、書籍代や暗号通貨取引のためのPCやモニター(専用で使っていない場合、家計の費用と按分してn割だけ経費計上することが一般的)、通信費(家計と共用ならこれも按分)等は経費として認められる可能性があるんじゃないかと思います。
また、PC等の高額なものの場合、税込10万円未満は消耗品費として費用計上できますが、10万円以上20万円未満の場合は一括償却資産として3年間の均等償却(15万円のPCを毎年5万円ずつ3年間計上する)、20万円以上の場合は減価償却資産として償却を行う必要があることに注意しましょう。

いずれにせよ、きちんと領収書(レシート)等を受け取り、暗号通貨のための費用ということがわかるように保管しておきましょう。
確定申告の際に、雑所得の経費の領収書を提出する必要はありませんが、きちんと記録を残しておかないと後から税務調査が入った際に経費として認められない可能性が高いです。帳簿は7年、エビデンスは5年保管しましょう。

また、実際に経費計上可能かどうかは税務署や税理士に確認しましょう。

疑問点

移動平均法で取得価額を計算するとき、同日付で売買の両方を行っている場合の計算

株式の特定口座だと同銘柄の同日付の売買は実際の順序がどうあれ、買いが先にあったものとして計算されます。そんな決まりはなさそうなので普通に時系列に沿って計算すればいいんだと思いますが、認識する実現利益の額に割と影響を及ぼしうるなあと。

複数の取引所のアカウントを所有している場合に取引所毎に利益計算可能か

例えばbitflyerCCのそれぞれでトレードしてる場合や、bitflyerデイトレードして、ZaifでBTC建て積立投資してる場合なんかの取得価額を、取引所毎に計算するか、すべて合算して計算するか。
株だと、特定口座だと同銘柄でも特定口座毎に取得価額を計算するし、一般口座だと別の証券会社にまたがって銘柄毎に取得価額を計算するけども、暗号通貨の場合はこのへんも絶対こちらでなければということはなさそう。原則は銘柄毎に複数の取引所を通算して取得価額を計算するんだろうけど、明確に取得目的が異なる場合(後者の例のように、短期売買と積立みたいに取引所毎にわけてる場合)はより分けて計算する意味もあるし。
ただ、zaifの積立も銀行の積立定期みたいに別管理されるわけではなく、毎日自動で買っていくって仕組みなので、積立をやりつつzaifデイトレもやってる場合、どこまでが積立によるものなのか、第三者が判別するのは難しいので、結局まとめて計算することになりそう。

いずれにせよ、一度採用した方法で毎年計算しなければならないので、面倒でないかつある程度コントロールしやすい方法でやるべきであって、どれが一番面倒でないかは人によって違う気がします。

BTC/アルトコインの取引の取得価額(円換算額)

暗号通貨→他の暗号通貨の場合、取得価額を購入した暗号通貨の時価(円建て)とし、購入する際に使用した元の暗号通貨の取得価額との差を利益認識するわけですが、この新しい暗号通貨の時価をどこから拾ってくるかという問題があります。
例えばBTC→ETHにエクスチェンジしたとき、ETHの取得価額の円換算額をどこから拾ってくるかという話です。
たぶんどの取引所でcsv吐き出しても、出てくるのはBTC/ETHのレートだけであって、ETH/JPYのレートを後から確認するのは難しいわけです。

その日のETH/JPYの終値で計算するのか、取引時点のレートを調べていくのか…。これも何らかのルールを決めて継続適用(恣意的でない運用)をすればいい話だと思うんですが、どうするのが一番楽なのかなあ。

加えて、BINANCEなんかで国内取引所に取り扱いがなく、直接円で購入できない通貨を売買した場合、円換算額を計算するのは更に面倒になります。
例えば国内ではまだ付与されていないBTGの場合、JPY/BTCとBTC/BTGからJPY/BTGを算出できなくはないけれど、結局どの時点のJPY/BTCを採用するかという問題は先ほどの問題同様発生するわけで…。

税率

総合課税と分離課税

所得が10種類あることは先ほど書いた通りです。この所得に対する課税のされかたには大きく2種類(または3種類)あって、総合課税、分離課税(申告分離課税源泉分離課税)とわかれています。所得の種類を再掲します。

所得の種類

それぞれの課税方式を見ていきましょう。

  • 源泉分離課税
    あらかじめ、支払う側が源泉徴収することで、所得者は特に手続きを行わなくても納付が完結するパターンです。銀行預金で利子がついた同日付で税金として引き落とされてるあれです。源泉徴収の時点で支払いが終わっているため、確定申告で申告する内容には入らず、つまり確定申告による還付等もありません。確定申告するしないの判断にも影響ありません。 代表的なものは預金の利子(利子所得)、外貨建預貯金を円にしたときの差益、期間5年以下または契約から5年以内に解約した保険の一時払い金等です。
    参考:源泉分離課税制度(国税庁)

  • 申告分離課税
    累進課税される総合所得とは別に税率が決まっており、確定申告により納付者が税額をおさめるものです。こちらは確定申告が必要かどうかに関わってきます。
    代表的なものは山林所得、土地等・株式等の譲渡所得、先物取引(FX等)による雑所得等です。株やfxの税率は20.315%(所得税地方税、復興税を含む)です。
    ただし、株式をやっている人で証券口座が「源泉徴収ありの特定口座」の場合は、売買の際に税金が源泉徴収されているため、確定申告の条件となる「給与所得以外の20万円」にはカウントされません。(ただし、確定申告した場合、所得として計上されるので、扶養が外れる外れないみたいな人は注意)
    また、株や投信の譲渡所得、先物取引にかかる雑所得は、確定申告をすることで損失を3年間繰り越す(翌年以降の当該所得から控除する)ことができます。暗号通貨はこれができませんが、法改正でそのうちできるようになるかもしれないですね。
    参考:申告分離課税制度(国税庁)

  • 総合課税
    いわゆる累進課税部分です。給与所得、不動産所得、暗号通貨による雑所得、だいたいの所得はここに含まれます。
    総合課税の対象となる所得の合計から、所得控除(扶養控除、医療費控除、寄付金控除等14種類)を差し引いた金額が、課税所得金額として、税率の計算に使われます。
    総合課税の税率は5~45%です(所得税に住民税10%が加わるので、実際に支払う税率は所得税+住民税で15~55%となります)。速算表を元に計算します。
    例えば、保険やその他節税策を一切やっていない曖昧な独身サラリーマンが、2017年に給与所得400万円と暗号通貨の利益で雑所得138万円を得ている場合、所得控除の基礎控除38万円を差し引いて、課税所得額は400万円+138万円-38万円=500万円となります。この場合、所得税の金額は500万円×20%-427,500円=572,500円となります。(ちなみに、理由は後述しますが、給与所得400万円ってのはだいたい額面年収570万円くらいのことです)
    確定申告した場合、この支払うべき税金572,500円と既に給料等から源泉徴収されて支払った税金の金額を比べ、追加で納付したり還付をうけたりします。

参考 f:id:sen_syu:20180101154458p:plain

出典 所得税の計算方法 | やさしい税の話 | 一般の方へ | 東京税理士会 | 公式サイト

課税所得金額

それぞれの所得は「収入-経費」で算出されます。が、どこまでが経費として認められるかはそれぞれ異なります。
また、退職所得、一時所得、長期譲渡所得(土地等・株式等以外で5年超保有していたものにかかる譲渡所得)は、所得金額の1/2しか課税対象となりません。

サラリーマン投資家、学生投資家の皆さんが気になるであろう代表的なものは以下の通りです。

給与所得は、経費計上が認められない代わりに、給与所得控除が収入に応じて65万円~220万円認められます(参考:給与所得控除(国税庁))。先ほどの所得税計算の例では、この給与所得控除が差し引かれたため額面年収約570万円で給与所得400万円となったわけです。(その他に特定支出控除という制度はありますが、あまり使うことはないでしょう)

譲渡所得は、土地等・株式等以外については50万円までの特別控除がありますが、土地等・株式等については、いわゆる厳密な手数料(取得費、譲渡費用)部分しか経費計上できません。

一時所得(生命保険の満期一時金、法人からの贈与、懸賞や競馬の払戻金等)は、その収入を得るために直接要した金額のみを経費計上でき、50万円までの特別控除があります。「収入を得るために直接要した金額」というのは、例えば競馬なら当たり馬券を購入するための費用(外れ馬券の費用は経費に計上できない)のみということになります*1。また、法人から暗号通貨を受け取った場合は、その日の終値か何かを適用して円換算で一時所得を得たことになると考えられます。

雑所得は、不動産所得・事業所得同様に「収入を得るために直接要した費用(原価)」と「販管費一般管理費」の経費算入が認められています。#暗号通貨の経費にて記載した通りです。きちんとエビデンス(領収書等)を残したものについては認められる可能性があります。
やさしい必要経費の知識(国税庁)

暗号通貨の税率は?

ここまで順番に読んできた方はもうお分かりの通り、暗号通貨による所得は総合課税される雑所得に分類されるため、総合課税の所得税率+住民税率10%が暗号通貨に課される税率となります。

つまり、所得が195万円以下なら15%だし、195万円~330万円なら20%だし、330万円~695万円なら30%だし、(中略)1,800万円~4,000万円なら50%だし、4,000万円超なら55%になります(控除額があるので実効税率はもう少し低くなりますが)。

累進課税であり、暗号通貨にかかる雑所得は損失を繰り越せないことから、1年であまり利益を出しすぎるのも考えものということになります。まあ、この場合の「あまり」というのは「税率が数段階変わる」くらいの意味合いですが。

所得控除・税額控除いろいろ

節税しましょう。

所得控除とは先ほどから何度も出ている通り、所得額から控除されるもので、医療費控除等14種類があります。基礎控除の38万円なんかは誰でも受けることができます。
一方、税額控除とは、諸々の計算の結果出てきた所得税額から直接控除されるもので、ご理解の通り、こっちの方がインパクト大きいですが、この記事を読んでる人で一番関係があるのは住宅ローン控除で、次点で配当控除(総合課税を選択した配当所得がある場合)くらいじゃないでしょうか。

以下、代表的な節税に使える所得控除・税額控除を記載します。もう書くの疲れてきたので代表的なもの以外は自分で調べてください。

年末調整で済ませられるあれこれ(生命保険料控除等)

いくらか控除を受けられますが年末調整で済ませられますね。済ませてください。

医療費控除

医療費控除額(最大200万円)=実際に支払った自分と家族の医療費の合計額-10万円
※ただし生命保険の入院保障金等を受け取った場合はその金額を医療費から差し引く。また、総所得金額等が200万円未満の場合は10万円のかわりに総所得金額等の5%を適用する。

平たく言えば、年間10万円以上、病院や歯医者にお金を払った場合はそれを超える部分について所得控除が受けられるという制度です。
ここには、歯医者のインプラントみたいな自費診療(ただし美容目的を除く)や市販薬の購入費、通院のための公共交通機関の利用料金等も含まれます。

また、2017年からセルフメディケーション税制が開始しており、こちらは上記の医療費控除のかわりに、特定一般用医薬品等(厚労省が指定する医薬品)購入費のうち、1.2万円を超える部分について、最大8.8万円まで所得控除をすることができます。つまり市販薬を年間1.2万円以上買った場合に所得控除されるというわけですね。対象医薬品は厚労省のHPから見れますが、バファリン、イブ、ルル、パブロンナロンエースサロンパス、ムヒ等よく名前の出る医薬品も対象です。

いずれにせよ、医療費控除を利用する場合は確定申告が必要です。身体は大事にしような。

寄付金控除(ふるさと納税)

所得控除の一種である寄付金控除の中でも、特にふるさと納税の話です。
ここ数年CMがすごいふるさと納税、なんとなくご当地の名産品等が格安で手に入るというイメージだけ持ってる人もいるのではないでしょうか。

これ、仕組みとしては、地方自治体(縁もゆかりもないところで可)に納税することで、納税額の数割程度の価値のある返礼品(地方名産品や宿泊券、ストロングゼロ等)が送られてくるというものです。
これ、実際の計算なんかは複雑ですが、イメージとしては「2,000円の自己負担分を除き、実質的に税額控除と同じ効果がある」というものです。つまり、2,000円の自己負担のみで、所得等により決まる上限金額までタダで返礼品がもらえるという、割と信じられないくらいお得な話です。

しかも、寄付金控除を受けるためには基本的に確定申告が必要ですが、仕組みが整えられた結果、寄付先が5自治体以内の場合、ワンストップ特例という確定申告不要で控除が受けられるようになっています。とてもつよい。

結論

ふるさと納税でたくさんストロングゼロをもらって、現世の苦しみから解き放たれましょう。

※なお、前編に引き続き、この記事は、作成時点で得た知識を元に、細心の注意を払って作成していますが、その内容の正確性および安全性を保証するものではありません。 当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、私は一切の責任を負うことはありませんのでご了承下さい。あと間違ってるところがあったら教えてください。

*1:2013年頃に話題になった、競馬の外れ馬券が経費になるかを争った裁判ですが、あれは資産運用として行っていたとして、そもそも競馬の払戻金が一時所得ではなく雑所得(経費の計上の範囲が広い)であるという主張をしていたものです